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じゃなくて 1 翔

じゃなくての歌より。



このVSの撮影の後で妄想してみました。




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*




「しょーちゃん。お疲れさま~。お先に」
「お疲れ、ドラマ撮影がんばれよ」

「ありがとう」

雅紀は肩越しに俺に振り返ると、顔をくしゃくしゃにして笑って
バイバイっと手を振ってから
帽子をぐいっと引き下ろし、部屋を出て行った。


俺は楽屋のソファにもう一度深々と腰を沈めて目の上に腕を乗っけ
天井に顔を向けて
「はぁっ」とため息を付く。

ニノとリーダーはいつものように、
仕事が終わると、この場所にいたら窒息してしまうと思ってるんじゃないかって勢いで
楽屋を飛び出して行くし。
潤くんも、約束があるって出て行った。

俺はこのまま家に帰って、資料でも読むか。

そう思いながらも、さっきの雅紀のボディタッチを思い出してしまってる。
手に触れたり、肩を組んだり。
番組の中だって言うのに、妙にくっついてきて緊張してしまった。

肩だって組みたいけど。
こんなんじゃないんだよなあ。

手だって繋いで欲しいけど
こんなのじゃないんだよなあ。


「がちゃっ」
「あ、櫻井さん」

慌てて顔を上げると、ハワイの時にお世話になったスタッフの鈴木さん。
「お久しぶりです、ハワイではお世話になりました」
慌てて立ち上がって頭を下げた。
「いえ、こちらこそ、番組はほんとに好評で。ハワイの休日も楽しんでいただけましたか?」

「はい。わざわざ夕陽が見える時間に予約していただいた、あの会員制のレストランもほんとに素敵で」
鈴木さんの顔が、にやっと笑った気がしたけれどすぐに仕事の顔に戻って
「それならよかったです」
それだけ言って、ちょっと仲間みたいな顔でちょんと頭を下げた。

俺は気がつかなかった振りで「ありがとうございました」と頭を下げると
「あ、なんでも言ってくださいよ。じゃぁ。お疲れさまでした」
タバコの匂いを残して慌てて出て行った。


ハワイで、予約してもらったレストラン。
誰と行ったか鈴木さんには言わなかったから、女と行ったと思われてるんだろうな。
野郎二人でだなんて、もったいないって言われそう。
でも、俺はハワイ最後の夜の思い出を作るのは彼とじゃなくっちゃいけなくて、

デートの相手はただの食事としか思ってなくても、
俺にとってはスペシャルの時間だったんだ。

夕陽で全てが赤くなってるレストランの中。
かちゃかちゃと言うお皿の音と、静かな談笑が聞こえるだけ。
大きな窓の隣で、片方の頬にだけに太陽の熱さを感じるけれど
もう微かな力しか、このハワイの島にまで届かない。
その最後に灯す太陽の光が俺達にはお似合いだ。


次々と運ばれて来るイタリアン。
ハワイのテイストが少し含まれてて
創作料理なんだろうけど、
この南国の空気と交わって、何もかももがおいしく感じた。
それに目の前に座る彼。
彼がいれば、なんだっておいしく感じる。
ちょっと奮発して頼んだワインが空いたころには
窓の外は真っ暗になっていて、夜の海がたおやかに揺れてる。
ほろ酔いの俺達の目の前には、パイナップルの乗ったデザートが運ばれて来てた。

「おいしかったね」
彼の濡れた瞳の中にオレンジの炎がゆらゆら揺れる。
「予約が二人しか取れないって言われたから、デートみたいになったな」
「ほんと、男二人で向かい合ってって、ちょっと変かも」
ワインのせいなのか、
頬が赤い雅紀の顔がろうそくの光を受けていつも以上に可愛く見える。

「翔ちゃんってさ、こんないい感じのお店知ってるのに、誘える子はいないんだー」
「ここは日本じゃなくて、ハワイだぞ」
そう言い訳してみたけど、日本でも誘える子なんかいない。

「翔ちゃんってさ、どんな子がタイプなんだろ。インタビューでは理想が高そうなことを言ってるけど、本音の話って、最近しないからさ」
雅紀は酒の勢いで際どいことを尋ねてきて、どきっとする。

「雑誌用にかっこいいこと言ってるけど、この歳になって、タイプなんてねーよ。一緒にいて楽しけりゃいいんじゃない?」

好きな人のタイプなんて、心の中に好きな人がいたなら、
その人のことを思い出して表現するしかないから
雅紀のイメージになってしまうんだよ。
雅紀が理想の恋人になってしまう。。。
きっとみんな、こんな人間なんかいないって思ってるよね。

だって雅紀は誰から見ても、
優しくて思いやりがあって
男も女も惚れてしまうような人間。
俺はそいつのことが好きなんだもん

仕方ない。


「あ」
雅紀が何かを思いついた顔をしてにやっと笑った。
「なに?」
「いい子がいるよ、家庭的でさ、絶対惚れちゃうと思うな」

「いや、俺は今は。。。」

「もしかして、恋人いるの?」
彼が驚いた顔をした。
「いないって」

「翔ちゃん、女の話聞かないよねえ、なんで出来ないんだろというか、
作んないんだろ」
かわいく首を傾げて
彼が俺を見つめたあの顔が忘れられない。

本気で俺の心配をしてくれてたみたいだけど、

ごめん

その心配は無駄だよ。
だって、俺が好きなのは雅紀だから。


腕を下ろして目を開けると、楽屋の蛍光灯の明かりが飛び込んで来た。
一人でこんなとこにいるのが悲しくなる、
家に帰って仕事しよう。

俺達の関係を考えると不安ばかりだけど
今後、何か進展があるかもなんて期待しても仕方がない。

メンバーだもん、側にいるだけで満足しよう
意識しなければ、今日みたいにふざけて楽しいこともあるし。
一緒にいられるだけでも幸せなことなんだよ。

俺は身体を起こすと肘掛けに手を当てゆっくり立ち上がり、伸びをしてから、
帰る準備をした。

雅紀が撮影の時に触れた温もりがまた身体の至る所に残っていて
身体が敏感になってる気がする。
今夜は眠れるのかな
こんな夜はなかなか寝付きが悪いんだよなぁ。

酒でも買って帰るか。

どんな酒にするかなと考えてると
疲れも柔らぎ、身体が軽くなって自然に歌が口から付いて出た。






ひょっとしたら君 気付いてる?
ワザと気付かない フリしてる?
君にとっての僕 親友 そんなの理想
じゃなくて!
どんな時だって アプロ一チ
欠かさずしても 甲斐がナイ
君が好きそうな イタリアン
性懲りもなく 誘い出す
「こんなイイ感じのお店を知ってるのに誘える子はいないの?」

じゃなくて! 「どんな子がタイプ?」
じゃなくて! 「ひとりいるよ?」
じゃなくて! 「家庭的だしきっと絶対ホレちゃうよ」
じゃなくて! 「もしかしたら」
じゃなくて! 「好きな子いるの?」
じゃなくて! 「ところでなんで彼女できないんだろ」
…じゃなくて!
君のせい そろそろ気付いてよ

不安ばかりでも しょうがない
期待してみたら キリがない
ふいに目が合って 君から 微笑むのは

じゃなんで?

君からのメ一ル 絵文字は
ハ一トマ一クだけど 分からない
本当のところを 聞きたい覚悟決めて 電話する
「こんなに何でも話せる人なんて他に誰もいないよ」
じゃなんで? 「優しいよね」
じゃなんで? 「おしゃれだしね」
じゃなんで? 「もし付き合ったらきっと絶対楽しいよね」
じゃなんで? 「また遊びたい」
じゃなんで? 「ドライブいいな」
じゃなんで? 「これからもずっと友達でいようね」
…じゃなくて!
この関係 いつまでも続くの?

じゃなくて! 「どんな子がタイプ?」
じゃなくて! 「ひとりいるよ」
じゃなくて! 「家庭的だしきっと絶対ホレちゃうよ」
じゃなくて! 「もしかしたら」
じゃなくて! 「好きな子いるの?」
じゃなくて! 「ところでなんで彼女できないんだろ」



…じゃなくて!
君のせい そろそろ気付いてよ









続く



明日は、雅紀です。
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