スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏の木陰

今年も優しいみなさんのおかげで無事一年が終わりました。

いつもお話を書くと、もうこれ以上書けないって思うのですが
ちょっとしたきっかけでお話が浮かんだり、皆さんの刺激があったり
結局、こんな風に続けることが出来ました。


自己満足で書いてますので、
読んでいただけるだけでもうれしいと感謝しています。



この大宮は、明日に上げる櫻葉を書いた後に思いついて書いたものです。

軽い一年の締めくくり。


お楽しみください。





腐ってます、ご理解の無い方はご遠慮ください。



今日明日はパスワードなしで読めるようにしてあります。




「今年ももう終わりだな」

居酒屋の個室の掘りごたつで、俺たちの目の前に座ってるJが言った。

今日は5人で忘年会だって、Jに呼び集められたんだ。

いつものように俺とリーダーは並んで座り、
いつものように俺はリーダーの太ももに手を置いている。

「そうだな、いろいろあって早かったな」
リーダーがそう言うとJは
「今年はリーダーとパリに行って、リーダーんちにも行った。なんかリーダーに近かったな」って軽やかに笑った。

俺の胸の片隅にちくりと小さな針が刺さり、その痛みを自分の手に伝えて、彼の太ももを思いっきり握った。
「いて」

リーダーが思わず小さな声を出した。
Jは「どうした?」って聞くので、俺はリーダーの顔を見て心配そうな顔を作り
「足でもひねった?」って尋ねた。

リーダーは、俺を睨んで「ちょっとね」って言うと、
Jに見えないように俺の手に自分の手を重ねて、柔らかく、でも力強く握りしめた。

俺は彼の手を乗せたまま、手をゆっくり彼の太ももの内側に滑らせた。
「パリではさ~」
Jが旅の思い出話をしていて、リーダーはその返事をしながら
カレに触れようとじりじりと動かしている俺の手を押さえている。
見えないテーブルの下の力の攻防。

俺はその話の途中で「リーダーって、海外に行くと大胆だよね」って言った。
すると、Jも一人で色んな所に行っちゃうしってパリでのリーダーの話を続けた。


俺はスマした顔で、テーブルの下で力比べをしながら、
あの日のニューヨークの午後の日差しを思い出していた。






涼しいはずのニューヨークは日本と同じぐらい蒸し暑く
ニューヨーカーはみんな、ぐったりしていた。
俺たちのように日本から来てればこんな暑さ、毎日のこと。

慣れてるけれど、でも暑いものは暑い。
ちょっとした自由時間が出来、自分たちで楽しめることになったんだ。
翔くんが仕事で先に帰国してしまって腐ってる相葉くんとJは
NYでしか手に入らないブランドで買い物をするんだって
二人で出かけてしまった。

リーダーは俺にセントラルパークを案内したいって、二人で高層ビルの谷間に鬱蒼と広がる森の中に足を踏み入れた。

リーダーが勝手知ったる場所のように、ちょっと猫背で、でも浮かれた足取りで
俺の前を歩き、俺は彼の汗ばんだうなじを見ながらのんびり歩いていた。

家族連れ、スーツを来た人、観光客、地元の人、ビジネスマン。

たくさんの人が歩く大きな道からちょっと外れた。
「ニノこっち」
そう言うと、リーダーは俺の手を握って、もっと細い小道に引っ張った。








俺は彼のそのテンションにびっくりして、
「ちょっと」って彼の手を振り解いた。

「何?」うれしそうに俺の顔を覗き込むリーダー。

「ここだって、日本人がいるんだよ」
そう言うと、
「いたっていいじゃん、バレないよ。俺たちがNYにいることなんて誰も知らないんだから」
って、俺の手をまた取って今度は離せないようにぎゅっと恋人繋ぎにした。

蒸し暑いと言っても木陰は涼しくて、さっきのビルに囲まれたアスファルトの暑さを忘れさせてくれる。
時々遠くに聞こえるパトカーやクラクションでNYにいることを思い出すけれど、
じゃなけりゃ完全に森の中の気分。

俺たちは手をつないで、寄り添いながら話もせずただ歩いた。
二人だけで手をつないで歩けるこの時間が、俺たちにはとても貴重なんだ。
この時間を忘れないように。。。
俺はこの夏の暑さも、リーダーの手の汗もぬくもりも、この風も匂いも、全てを体に染み込ませようと心を研ぎすましていた。







いきなり道じゃない所を歩き出したリーダー
どこに連れて行かれるのかわからない俺は不安になって
彼のちょっと汗ばんだ手をぎゅっと握って引っぱり、合図すると
「どこいくの?疲れたよ」って言った。
「ん?」って振り返った彼。

「もうちょっとだから」そう目を細めて微笑んだ。
「何?どこが?」
「いいから」


そう言いながら、また俺の手を引っ張って歩き始めた彼は
大きな岩を見つけると「これこれ」って言って俺の手を離し、一人でよじ上った。
そして「こっち」俺に手を伸ばして岩の上で待っている。
「え?」
「ほら、手」俺は訳がわからず、彼に手を伸ばした。
「よいしょ」俺を引っ張り上げると
「ここだよ」

突き出した岩の上に立った俺の眼下には、大きな池が広がっていた。
ボートを漕ぐ人、そぞろ歩く人が遠くに見え水面が夏の光でキラキラ輝く。
その後ろにそびえ立つ摩天楼。
近未来映画のワンシーンのよう。

「ここさ、去年来た時、今度はニノと来たいって思ってたんだ」
「俺と?」
「うん」
そう言って、池を目を細めて見て、満足そうな彼。
「よかった、こんなに早く夢が叶うんだもんな」って呟いた。
「夢って」
「俺、ここでずーっとニノのこと考えてたんだ」
そうぼそりと言うと、照れを隠そうとしてるのか目を伏せて岩の上に座った。

「へぇーリーダーがね」
俺は彼の恥ずかしそうな顔を覗き込んでから、隣に座った。
岩が冷たくて気持ちいい。
「俺だってさ。。」池を見たまま口を尖らせて、何かを言おうと考えている彼を遮り
「俺のこと考えてくれてただけで嬉しいです」
俺も池を見たまま呟いた。

すると、彼の顔がこっちを向いたのを感じ、俺も彼の方に顔を向け、青い空と俺が映る瞳を見つめた。
二人の視線が俺の体温を熱くするように絡んだ。
お互いの考えてることは同じ、俺はそれを確かめるようにゆっくり顔を近づけた。
俺は彼の熱さを唇で受け止めた。

涼しい風が池から吹いている
太陽の下、彼と口づけが出来るなんて。
俺たちは長い間唇を重ねていた。
いつの間にか彼の手は、汗ばむ俺の背を這い
俺の手も彼をこれ以上近づけないという所まで引き寄せていた。

ふと顔を離した彼が俺の瞳を見つめ
なぜか「ほらね」って言った。
「ほらねって、何だよ」俺が首を傾げて聞くと

「ここならニノと外でキス出来るなって思ってたからさ」
彼はすっきりした顔で言った。

俺はおかしくなって、
「お前、そんなことばっかり考えてんのかよ」
そう言って大きな声で笑った。

俺はどこにいても俺を思ってくれてる彼の気持ちがうれしくて、また唇を重ねたんだ。









今まだ俺の手は、リーダーの太もものカレに触れそうなところに押さえ付けられている。

パリの話が終わった潤くんが、時計を見てから
「遅いな、相葉ちゃんと翔くん。ちょっと見て来る」って立ち上がったので、
俺は慌てて手を離した。

「うん」
俺は足音が遠さかるのを聞いてから、リーダーの顔を覗き込んだ。


「リーダーは、海外では大胆だもんね。パリでもそうだったんだ」
俺は伺うように上目遣いで尋ねた。
「大胆って、自由になれるからね」
彼はそんな言い訳をした。

俺はその言葉を聞くと口元をくいっと上げた。
「あんなところでキスするんだから、大胆でしょ」
あの日の思い出はリーダーにも伝わるだろう。

すると、何かを思いついたのか、にやっと笑うと
俺の体にがばっと腕を回しいきなり抱きすくめた。
「おいっ、ちょっと」俺は体を締め付ける彼の腕を掴んだ。

「海外じゃなくても、大胆になれるよ」
彼の顔が近づき、俺の唇にあの日と同じ熱さの唇が触れた。


「ごめんごめん。おまたせー」
ドアの向こうで相葉さんの声がして、俺たちは慌てて体を離して身繕いをすると目を合わせて笑った。

「雪は止んだよ」
そう翔くんの声がして、溶けた雪でしっとり濡れた二人と潤くんががやがやと入って来た。

「待ってたぞ、何してたんだよ」

俺は温かい部屋に、雪の香りと冷たい風を運び込んだ3人を見ながら
さっきのが今年最後のキスかななんて思っていた。


彼らが座るのを見ていると、リーダーの手が俺の方にそっと伸びて来て
テーブルの下で二人の手を重ねた。
彼の指が俺の指に絡む。。。


あの夏の日と同じように。。。




続く



セントラルパークのシーンも、私の妄想です。
そんな場所は、ありません。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。