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アレルギー 1

リーダーの聖誕祭コラボが始まりました。
お誕生日おめでとうございます。

黄、赤 月魚さん

青、緑 私です。







収録が終わって、メンバーより先にひとりで楽屋に戻った。

疲れた…

誰もいない楽屋で、畳の上にごろんと横になる。

仕事ってホント大変だな…

アイドルなんて、やっぱガラじゃない。
うーんと伸びて、それから身体を丸めて目を閉じた。
そうすると、普通のネコだった時のことを思い出す。
寝たい時に寝て、遊びたい時に遊んでたネコの暮らし。
それはそれで楽しかったけど、俺は彼に出逢ってしまった。

ネコは15年生きると、不思議な力をもつようになる。人間はそれを『猫又』って呼んでるらしいけど… まあ、勝手に何とでも呼んでくれ。
その力で、俺は人間に化けて、彼の傍にいることを選んだんだ。

「ちょっ、コラ! ニノ!」
誰かが俺を呼んで揺り起こす。
「…相葉くん?」
長い回想の途中ですっかり眠ってしまっていたらしい。
「ニノ、ネコに戻っちゃってるよ! もうみんなも来るから、早く人間になって」
慌てた様子で言われ、俺はぼんやりと自分の手を見つめた。
小さな、ネコの手…
「わっ、ヤバっ」
疲れが溜まり過ぎると、人間の姿を維持するのが難しくなる。
うっかり熟睡しちゃうと、勝手に元にもどっちゃうんだ。
「ニノ早く!」
「分かってる!」
ドアのところで廊下を覗きながら急かす相葉くんに叫び返して、俺は精神を集中させた。




楽屋に戻ると、畳の上にネコがいた。
「ネコ?。。。あ。。。」

ニノだ。
俺は慌ててそのネコを叩き起こした。

ニノはネコだ、俺だけがその秘密を知ってる。
なんで、俺がそれを知ってるっかって?

俺もネコだったんだ。
なんで、過去形かって言うと、俺の場合もう完全に人間になってしまっていて、ネコには戻れないから。

ニノをせかして、誰も来ないように廊下を覗いていると、向こうからリーダーが歩いて来た。
「早く早く」
そう言って、楽屋の中を振り返ると、そこには眠そうなニノが伸びをしていた。
でも、なんか動きがネコなんだよなあ。

そう思っていると、
「相葉ちゃん、楽屋に入んないの?」
リーダーの声が後ろからした。

「あ、ああ、ニノが昼寝してたからさ、起こしてたんだ」
そう言って、靴を脱いで中に入った。
「ニノなんか疲れてんね」ってまだネコみたいなニノに声を掛けた。

リーダーも「なんか、眠そう」ってニノの隣に軽やかにダンスをしてるみたいに座った。

ニノのこと、俺が気をつけてやんないとな。
リーダーはニノの眠そうな姿を見ると、くすっと笑った。





「そうなんだよ、眠いんだよ」
大あくびして、俺は隣に座ったリーダーの肩に凭れかかった。
ついでに彼の腰に手を回して、背中やお尻を撫でると、リーダーは抵抗もせずに笑って俺を見つめて、
「大丈夫? 疲れてるね」
優しい口調でそう言った。
それだけで嬉しくて、俺はもっと甘えたくなる。
間近で見る長いまつ毛に胸が騒いで、やっぱり無理してでも人間のフリをしてて良かったって思う。
「リーダー…俺、」
彼の腰に回した手をグッと引いて、相葉くんがいるのも構わずに身を擦り寄せた。




ニノはリーダーにすり寄って、まだ、ネコのままなんじゃないかって錯覚してしまうような、
艶かしい目でリーダーを見上げてる。

そんな目でリーダーを見て油断すると、またネコに戻っちゃうぞってはらはらしながらニノを見てた。

リーダーもリーダーで、今にも舐め回すんじゃないかって勢いのニノの頭に手を当てて、
髪を優しく撫でながら「自分の番組もあって、忙しいよな」って目を細めて見下ろしてる。

「はぁ」って俺は大きなため息を付いた。
そんな俺に「何?」ってニノが顔を上げてこっちを見た。
「いや、二人があんまりにもいちゃいちゃしてるからさ、俺、邪魔だよねえ」
「んふふ、羨ましいんでしょ」
「まさか、俺だって。。。いや、その前にニノ、お前気をつけろよ」そう言って、色んな意味を含ませて睨んでやった。
そんな俺の視線を見てリーダーが「何に?」って聞くので
ニノは「放っておけばいいんですよ、羨ましいだけなんだから」って、きらりと光る鋭い目で俺を見てから、リーダーに体をくっつけた。

俺がもう見てられないって、立ち上がろうとすると
「コンコン、失礼します、メイクを始めます」ってリーダーと俺のメイクさんが入って来た。



メイクさんがドアを開けたままそこに立って、二人をメイク室へ促す。
「はーい。じゃあな、ニノ」
リーダーが俺の頭をポンポンって叩いて立ち上がる。
「早く帰って、ゆっくり寝ろよ」
相葉くんも笑って立ち上がった。

二人はこの後、まだ撮影が残ってる。
俺は今日の仕事はもう終わりだから、立ち上がった二人を笑って見上げた。
「ん… 二人とも頑張ってね」
「ニノは、今日は寄り道しないで帰れよ」
そう言いながら、リーダーがまた俺の頭を撫でた。
俺は目を細めてリーダーを見つめ、彼のお尻に手を触れて、
「分かってる」
ポンポンって叩いて微笑んだ。

二人が部屋を出て行くのを見送ると、俺はまたひとりになった。
さっきまで彼に触れていた肩や手が熱くて、妙に寂しくなる。

疲れてるからかな…

気持ちが沈んでいく気がする。
このまま帰っても、ひとりでいたら気が滅入るだけだろう。

やっぱもう少し、リーダーの傍にいよう…

俺は楽屋のドアを開けてから、そのドアに隠れるようにして、ゆっくり目を閉じた。
元の姿に戻るのは、人間になるよりずっと簡単だ。
俺は急激に低くなった目線に慣れるために、何度も瞬きしながら呼吸を整えた。
それから音も立てずに部屋をするりと~抜け出した。



ねこ5

メイク室の鏡の前で、髪やら顔やらいつものようにぺたぺた触られてる。
俺は全く興味も自分の意見もないから、メイクさんのされるがまま、ぼうっと鏡を見てた。

相葉ちゃんは、楽しそうにメイクさんと洋服の話をしてる。

俺は前をまっすぐ向いて、さっきの楽屋のことを思い出していた。
ニノはまっすぐ家に帰って、ゲームなんかしないでゆっくり寝てるといいけど、
それにしてもさっきのニノ、俺に甘えちゃってかわいかったなって思ったとき、
鏡の中の俺の頬がにやりって緩んだ。

「何かいいことありました?」ってメイクさんに言われて、
「え?いや、別に」って顔を引き締めた俺、
何やってんだよってちょっと顔を赤くしてしまった。
そんな俺を見て、俺の考えてることがわかったように微笑むメイクさん。
ま、俺が誰のことを考えてるかなんてわかんないからいいか。

すると、コンコンって乾いた音がした。
「しつれーしまーす」間延びした言い方で、メイクの道具を持った若いアシスタントの人が入って来て「先生これも必要ですよね」って大きな声を出した。



タイミングよく、誰かがドアを開けたから、その隙間から身体を滑り込ませた。
部屋の奥の鏡台の前に座ってるリーダーの足元まで素早く移動して、その影に身を潜めた。
ほんの少し首を伸ばして見上げると、リーダーの耳から顎のラインが見える。
なんとなく、それだけで満足できてる自分に、ちょっと可笑しくなった。
「大野さんの髪ってぇ、柔らかくて素敵ですねぇ」
新入りらしい、アシスタントの女がやけに高い声でリーダーに話しかけた。
もうメイクは終わってるように見えるのに、やたらとリーダーの髪や肩に触れてる。
「羨ましいな、綺麗な髪で」
「そう? そんなこと思ったことないけど」
「ええ~、そうなんですかぁ」
アシスタントの言葉に、リーダーがまんざらでもなさそうに ふふ って笑った。
俺は苛立って、二人見上げて睨み付けるけど、誰もそれに気がつかない。
二人はにこやかに会話を続けてる。

あ、また触った。
なんで触るんだよ。
触る必用なんかないだろ?
リーダーもデレっとしちゃってさ…

「大野さんって、ホントに素敵ですね」

アシスタントが発した言葉に、俺の中で何かがブチっとキレた。
俺は彼女の高そうな革靴に思いっきり爪を立てて、「リーダーは俺んだ!」って大声で怒鳴った。

ネコ語だから、人間には伝わらないけど…

「きゃっ、なに!?」
俺の威嚇にアシスタントがそれまで以上に甲高い声で叫ぶ。
その耳障りな声に、俺はビックリして思わずリーダーの膝に飛び乗った。

あっ! っと思った時には既に手遅れで、顔を上げると、「あちゃ~」って顔してる相葉くんと目が合った。


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テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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