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sweet flavor 2



彼は俺の服を脱がし、ぱあっと輝いた笑顔を見せた。
プレゼントを開けた子のよう。
何を考えてるんだか。
「こんな楽しそうな顔をしてるのは久しぶりだね」と言うと
『くくっ』と笑ったリーダーを見て。。。

『まずい。。』と思ったんだ
そしたら、案の定。

なんだよ。。。

なんで、俺をこんなに。。。スルンダヨ?


リーダーは楽しそうな顔をしてるときが、一番厄介だ。
ぼうっとしててくれた方が。。。

扱いやすいんだよね。


今夜は一体、俺を何回。。。。

喉がカラカラだ。。。


彼は俺の身体の上で肌を湿らせたまま「はぁはぁ」と激しい息をしてる。
俺もさっき吐き出したものを取り戻そうと、乾いた喉に空気を吸い込む。


呼吸音だけが部屋に響く。



香り3



二人の呼吸が静かになり始めたとき
俺は最後に大きく息を吸い込むと、あの香りが鼻に飛び込んで来た。

甘くて、赤ちゃんの香り。
ベビーパウダー?
ミルク?
何にも汚されてない香り。
無邪気な香り
抱きしめたくなる香り

甘えてる香り。


やっぱり、家中見たけど、こんな匂いどこからもしないし
リーダーの身体の中から出るんだろうけど、
さっきの男の香りもあるし。。。

「この香り、どこから来るんだろう」

呟いてまた匂いを嗅ぐ。

「ふふ」
リーダーが笑った。


「気がつかない?」
彼の手が、俺の耳の後ろをゆっくり撫でる。

「ん?」

「俺も最近気がついたんだ。この香り、ニノが側にいるとするんだよね」
リーダーが俺の顔を覗き込んで頷いた。

「まさかー」

「側にいなくても、ニノと逢った日や、ニノと話をしたり、ちょっと。。えっと。。。変な事を想像すると。。。この香りがしてる」

「でも。。。まさかぁー。でも、潤くんだってこの匂いのこと言ってたじゃん」
さっきの激しさで自分の声が少し掠れてる。

「松潤と逢う時は、絶対ニノの偵察があるよね。アメリカに行ったときも、浮気調査みたいな電話がいっぱい。。」

「偵察?俺はそんなつもりじゃー」
むっとしてしまった。
だって、ただ、ラスベガスで何をしてるのか興味があっただけで。。。

「ふふ、うれしかったよ」

彼が唇を寄せ、柔らかい唇が触れた。

また強く香る。


そういえば。。。
翔くんも、相葉くんもこの香りに気がつかないみたいだし。。。

まあ、相葉くんは、
翔くんの男らしい爽やかな香りと
季節の花粉で
鼻がイカレテルから、リーダーの香りなんかわかんないか。

翔くんも、相葉くんしか興味がないし。
今日だって、なんだあれ。
ウサギエプロン姿の相葉くんの写真を『かわいいだろ』と自慢された。

見たくもねーよ。

だから、あの二人にはわかんないよな。

でも、俺の側にいたら薫るってことは、
俺はリーダーの普通の香りを確かめる術はないよね。
俺はこの甘い香りしか知らないわけで。。。。





リーダーが、背中をぐいっと起こし
「腹減った」
とのっそり起き上がると、
「魚を捌いたから、一緒に食べよ」とベッドを降りた。

「うん、アジだろ?」

「あー、なんで知ってんの、先に食ったろ」
彼は俺の方を振り返ってから、シャツを面倒くさそうに拾った。
「違うよ、覗いただけ」

「つまみ食いしたんじゃないよなあ。せっかく喜ばせようと思ったのに」
と言いながら俺に背中を見せてシャツを着てる彼。
俺はそれを眺めながら、自分の身体の香りを嗅いだ。

ん。。。俺もリーダーの香り。


いつものことだけど
二人で過ごした日は、この香りが俺にも染み込むんだ。

だから。。。
これは俺とリーダーの香りでもあるわけだけど。

そうか、俺といるときだけの香り。


俺を誘う香りなんだ。

つまり、リーダーのフェロモンの香り。。
ふふ、そんな香りって本当にあるんだ。。。

確かにこの香りは、リーダーを抱きしめたくなる。
香りで俺を誘惑してるんだと思うと
手を口に当てて笑ってしまった。

「何笑ってんの?先に行って、食ってるよ」

彼はまだ裸で横になってる俺を見下ろしてから、額に口づけをした。
その唇の柔らかさが、全身をくすぐる。
俺は彼の首にしがみついて、身体を自分に引き寄せ
もう一度、彼の香りを胸に一杯に吸い込む。


『すーっ。。。』

「ん~ニノも今は同じ香りだよ」


その優しい声に
身体が熱くなってしまう。

わかってる。
さっき一つになった俺達は同じ香りだ。
でも。。。


「俺はこんなに臭くないよっ」

彼を押しのけて、くるんと背中を向ける。


「にのーぉ。俺、臭くないよなぁ~~」

俺が笑いを堪えてると
背中に抱きついてきた彼から、また甘い香りがした。




。。。。んーいい香り。。。。。
俺だけの香り。



俺は大きく胸一杯に息を吸い込み、
背中から抱きしめてる彼の手に自分の手を重ねた。



香り1















『リーダーの赤ちゃんのような香りを私も嗅ぎたい~~~』
と叫んでる
智担の夢をぶちこわしてやりましたよ。


ふふっ。
残念でした。

あの香りは、ニノしか無理ということです。。。



智は君たちにはやらん!!!!!


ニノのものです♡


ニノちゃん
お誕生日おめでとう。

智を独り占めしてください。
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テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

sweet flavor

ニノちゃん
お誕生日おめでとう。


大宮でこんなものを書いてみました。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆







「こんにちは」

リーダーはまだ帰って来てないのも知ってるけど。。。
だからこそ。。。急いで遊びに来た。

『先にりーだーんちに行ってるよ』って断って来たのに、
裏の狙いがあるからやましい気持ち。

まず、玄関。
変化なし。
いつもの色気のないリーダーの家の玄関。
釣りのサンダルと、真新しい革の靴が綺麗に並んでる。

今日は、あっちのお気に入りの靴だな。
残ってる靴で、今日は何を履いてるかわかってしまう。
おしゃれしない俺達だから、パターンがないもの。

『くんくん』
リーダーが最近買ったと自慢してた靴の革の匂いだけ。
これじゃない。

「お邪魔しまーす」
靴を脱いで家に上がる。




「手を洗わせてもらうよ」
誰もいないのに独り言で断る。

いつもなら、自分ちみたいに使うのに、
悪い事してるわけでもないけど、つい声が出てしまうんだよね。
朝のシャワーを浴びて出て行ったのだろう、
リーダーの部屋着が洗濯籠にぽいっと放り込んであってどきんとする。

これを着てるのを見るのは、飯食ってるときぐらいか。
その姿を覚えてないのは
俺の前ではすぐに脱いじゃうから。。。

最近はなかなか逢えないから、逢う度。。。だから。
その籠からはみ出した袖を直し、
洗濯機の周囲の観察。
でも、洗剤も柔軟剤もこだわりがないみたいで
今使ってるのも、新しい買い置きも、別のメーカーじゃん。
あの香りはいつも同じだから、洗剤じゃない、

ここも違う。



キッチンへ

「なんか、生ぐせーんだよなあ」
綺麗にしてあるけど、今日はキッチンが魚臭い。

そういえば今日、魚を食わせてやるからって言ってたから
準備してくれたのか。。。
ちらっと冷蔵庫を覗くと、アジの刺身が入ってた。
うまそう。。。
いや、勝手に食う訳にもいかないし。。。
『ぐうっ』と腹が鳴った。

でも、急げ。
リーダーが帰って来たら、香りの原因がわかんなくなる。

ここは、魚臭いだけ。。。っと。
この匂いじゃない。


リビング

昨日、電話したときは『リビングで絵を描いてる』って言ってたから
絵の具が部屋に広がってて、
あれ?床に絵の具が付いてる。
と思ったら、あいつ。。。

床に、顔?

俺じゃん。

俺の顔が落書きしてあった。
水彩画の絵の具だから取れるけどさ。
リーダーは自由すぎなんだって。

でも、床に描かれた俺の笑顔。
側にいなくても、俺のことを考えてくれてると思うとうれしくて
その絵に近づいて、真上からじっくり見る。

「似てるんだよね」
呟いてしまう。
『写真なんか見なくてもニノの顔は描けるよ』
と言いながら、いつも暇があると俺の顔を落書きしてるんだ。
これもきっとそう。

この部屋は、絵の具の匂い。
ちょっと愛されてるうれしさも入って。。。
いい香り。




でも、
どこも、あの香りとは違う。



じゃ、ベッドルームか。

ドアを開け放った暗い部屋を覗き込む。
ここに来た数日前の夜のことを思い出して、腹の奥がきゅんとした。
あの時も、リーダーは赤ちゃんの香りをさせてた。

けど、部屋の中は。。。
あの香りはしないんだよね。

くんくん鼻を鳴らしてみるけれど
ちょっと男臭い匂いが籠ってる。
俺だけが知ってる別のリーダーの香りでもある。

俺を怖い顔で睨んでるときは、こっちの匂いなんだ。
あの細い身体で、俺を押し倒す瞬間の香り。

じゃあ、あの赤ちゃんの香りはなんだろう。
ベッドに座ってから身体を倒し、ぽふっと枕に顔を埋める。

枕も洗剤とリーダーのシャンプーの匂い。
これじゃないんだよねえ。

香り2



いつもここで抱きしめられて眠る彼の温もりが俺を包み込んで
直立不動体勢で、額を枕に休めてじーっとしてた。

『がちゃっ』
「ただいまー」
あ、帰って来た。

「おかえりー」
枕の上で顔を上げて声を出して、また枕に顔を埋める。
「早く帰って来たけど、待った?。。。」

「あれ?どこ?」
リーダーが俺を探しまわってる。
「ここだよ」
身体をごろっと横にした。

明かりのある廊下からにゅっと顔を出した彼の表情は影になってて暗くて見えない。
「なにしてんの?大丈夫?気分でも悪い?」
ゆっくり入って来た彼が、ベッドの横に立つと
俺は仰向けになって、彼を見上げた。
ほんのりした光を背に、頬と鼻の先を輝かせ俺を見下ろす。
「うん。ここでリーダーのこと考えてた」
香りを嗅いでたなんて言えずに、小さな嘘を付く。

でもこの嘘が、リーダーを一気に熟してしまったようで、
彼はその熱を身体の奥から、大きな塊で吐き出した。
「はぁっ」

リーダーは微笑んでるのか、獲物を狙ってる顔をしてるのか
見えなくて、左手を彼に伸ばす。

彼の力強い指で手首を掴まれて、腕の力を抜くと、
彼の身体が傾き、全身の重みをゆっくりと胸に感じる。
「ん。。。」
左手を頭の上で押さえ付けられた。

この部屋に残ってた男っぽい香りがふわっとして。。
あれ?
この香りじゃないと思った瞬間、
彼はちょんと唇を重ねてから、俺の首筋に顔を埋めた。
「に。。の。。。」
『ほうっ』とため息を付かれて、こっちも熱くなる。

俺も、片方の腕の自由を奪われたまま息を大きく吸い込む。

あ、これこれ
この香り。

探してた香り。

「なんでだろ」

呟くと、すでに片手は服の中に忍び込ませてたリーダーが顔を上げた。

「なに?」
「ん?リーダーの香り、この。。。」
くんくんとまた首筋で鼻を鳴らす。

「くすぐったい」と身体を捩る彼の首を抑えてまた自分に引き寄せる。

「ほら、赤ちゃんみたいな匂い」

「うん。。。」
と気の無い返事で、人の話を無視してまた手を服の中に忍ばせ、
胸の柔らかな肌と敏感になってるソレを
ごつごつした細い指でなぞっていく。

彼の甘い香りが強くなる。

本当にへんなの。。。
覆いかぶさったときの香りと違うんだよな。

でも、俺は彼の甘い香りに包まれて

遠い世界を漂う。。。。



続く

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ジャンル : 小説・文学

color of red




話ではなく、ただの翔ちゃんの独り言。



さらっと、お楽しみください。


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


いつのころからか、
俺の色は赤となってしまってた。

赤の色のイメージ、
情熱、冒険。
やっぱり俺の色だよね。

他のメンバーが、赤?

考えられないし。







情熱の赤。

コンサートのとき、赤い色のものを身につけて、
俺だけを見てくれてる俺担当のファンの子たち。

俺の視線の行方を追って、
ファンサービスを、
お手振りをもらおうと
俺の名前を書いたうちわを振ってる、きらきらした瞳。
真っ赤な頬。


大好きな色。




ハワイのホテルで、
潮風に当たりたいとベランダに出た雅紀の後を追って見た夕焼け。

空に厚く層になってる雲は
もう夜の闇に染まっているのに、
海の上に残る最後の空は、
陳腐な言葉だけれど、燃えているように
正しく、
太陽の炎をそのままこの空に移したかのような赤だった。

ベランダの手すりを握りしめ、
太陽の欠片を受け、頬を赤く染めて、空を見つめる雅紀の横顔。
赤く輝く瞳を見つめていると
彼はそっと手を伸ばして、隣にあった俺の手を握った。

俺達は言葉もなく
紅蓮の炎が消え尽きていく空を見つめていた。

あの日の潮風の香り
力強い彼の指が絡むぬくもり、ハワイでの小さな思い出。

「時間だよ」
松潤の声がして、俺達は我に返ったんだ。

あの夕陽の赤は、この地球上で一番美しい赤。
大好きな色


ん。。
違うな。

地球上で一番大好きで、美しいと思う赤は
リンゴの赤だな。


red1



あの若かりし日、俺が賭けをしたリンゴ。

エデンの園の禁断の実

蛇がイブをそそのかして食べさせた、善悪と智慧の木の実。

俺は雅紀を好きになってしまったときに、その実を食べた。
つまり
もう、善悪も智慧も雅紀の為なら、捨てても。。。
いや、『禁断の恋を自覚して苦しんでもいい』と覚悟して彼を愛することを決めた。

でも、雅紀の気持ちは。。。

全くわかんなかった。

俺の事を「翔ちゃん」と慕ってくれるし、
彼が俺を見る視線がメンバーとは違う気がしていた。
『自意識過剰かも』と何度頭を抱えたことか。
そんな毎日に嫌気が指して

俺はその夜、
雅紀が俺の部屋に遊びに来るか、
そして
リンゴを食べるかどうか。

もし、彼が食べると言うなら、告白しようと賭けをした。

彼が受け入れてくれたなら。

俺達は「友達」「メンバー」という楽園から追放され
愛すれば愛するほど苦しくなる失楽園へ堕ちるけれど

雅紀がいたら、どんな場所でも幸せになれる自信があったから。。。

red3

決心した日


仕事が終わると、
野球帽を被って帰り支度を始めた彼を誘った。
「あ、ごめん、今日はニノと飲みに行くんだ。翔ちゃんも来る?」
その返事に、俺はがっくり肩を落とした。
「いや、今日は止めとく」

後で雅紀が言うには、あのときの俺の顔があまりにも酷くて
ニノと飲んでても気になってしまって、
飲み会の途中で嘘を付いて俺の部屋に来たんだそうだ。

ドアの向こうに、赤い野球帽を深々と被った雅紀が立ってたときの衝撃。

「俺がドアを開けたときの翔ちゃんの顔。それもまた酷かったよ」

その次の日の朝、
輝く光の中で、まだ眠そうな目をしてる彼の真っ赤な唇に
『おはよう』と口づけをしたら、
頬をぽっと染めてから、朝の熱い体を俺に絡みつけて話してくれた。
今となっては笑い話だけれど。



あの賭けをした夜。
二人分のコカコーラをコンビニで買って来てくれた雅紀に

「リンゴ、食う?」
俺は唐突に尋ねた。
「腹一杯だし」
当たり前の返事。

このとき、心の底からほっとした。
彼が受け入れてくれたときのことばかりを考えて、
もし断られたら。。。なんて考えてなかった。

告白して、断わられたら
こうして、気楽に誘って遊びに来てもらえなくなる。
誰の目も気にせず、ふざけて抱きつくこともできなくなる

だって、一度禁断の実を食べてしまったら、
忘れてくれと言ったって、そこには戻れない。



これでよかったんだ。。。。

テーブルに並べてあったリンゴをじっと眺めてる雅紀。

「このリンゴ、綺麗な色だね。まっかっか」

「持って帰れよ」

「うん。ありがとう」

「ほら」
手を伸ばし、テーブルの上のリンゴを取って、
隣に座る雅紀にぽんと投げると、赤い実が弧を描いて彼の大きな手に収まる。

持って帰るなら、禁断の実じゃない。
『齧ってないから』今日は告白しない。
でもその横で、
雅紀はリンゴを袖でごしごしと磨いて

「甘そうなんだよね、ちょっと味見。。。」


「かぷり」
しゃりしゃりと軽い音が部屋に響く。

「あ。。。」

「甘ーい、こんな甘いリンゴ、初めて食べたよ」
ごくりと飲み込んだ彼が、もう一口かぶりつこうと口を開けた。

「。。。なんで」
さーっと俺の頭から血が引いた。

「なに?」
きょとんとした彼の顔。俺は手を膝に置いて肩を落とし、雅紀は下から覗き込んできた。

食わねぇんじゃなかったのかよ。。。。



上も下もぽってり厚くて、いつもほんのり開いてる彼の唇が
今日は特別赤く見えて、
彼がまだ手にしてるリンゴと同じ色をしてた。


かじられた部分のリンゴの白さが俺に「負けたよ」と言ってるみたいで
動悸が激しくなって。。。

さっき引いた血が逆流し、今度は顔が熱くなるのを感じる。
雅紀は不安な顔をして
「翔ちゃん、リンゴ食べちゃダメだったの?」と尋ねた。

ごくり。
乾いた喉にツバを飲み込む
「ううん」
「じゃぁ、どうしたの」

「雅紀がリンゴを食べたら。。。」

「うん。。食べたら?」

「おまえに告白するって決めてたんだ」
覚悟を決めて男らしく吐き出してから

「雅紀が。。。好き。メンバーとしてじゃなくて、恋してた」
そう大きな声を出した。

「え。。っと、それって。。。」
大きな目をぱちっと瞬きした彼。

「付き合ってください」
頭を下げた。



「。。。冗談?じゃないよね」
この彼の言葉に、弱気になる。
『ここで冗談だと言えば戻れるよ』
卑怯な俺が囁く。
でも、ちゃんと伝える、そう決めたんだ。

「冗談でこんなこと言えるか」

顔を上げて彼の顔を見ると、今度は彼の頬が赤くなってた。
さらさらの髪が額を隠してると、幼く見える彼の顔が歪む。

俺が禁断の果実をかじった罪。
いや、彼に恋をしてしまった罪。
その罪に彼を巻き込んでしまったんだ。
酷い事をしてしまったのかもしれない。

消えてしまいたい。。。

もうあの無邪気な場所には戻れないと、見えない楽園を仰いだ。


「お願いします」
彼が急におかしなことを言った。

「なにを?」
なにをお願い?このまま消えろってこと?
俺は首を傾げた。

「へ?なにが、なにを?」
今度は雅紀が首を傾げてる。

「なに?」

「なにをって。。。俺、翔ちゃんに付き合ってって言われたんだよね」
彼は目を細めて、怖い顔をした。

「そう」もう訳がわかんない。


「あーもうっ。翔ちゃんは。。。だから、お願いします」


そう言って、雅紀の手が俺の肩を掴み
小指から順番に力を入れると、俺を引き寄せ
ぼうっと開いたままの唇に、彼の赤々と熟した唇が軽く触れた。

その後
彼は「俺もずっと好きだった」と耳元で囁く。
あのとき、耳を掠めた吐息は、今でも身体を熱くする。


そして、熱く二人の視線が絡んだ後の
禁断の味がする彼の唇は、
もう自分はどうなってもいいと思わせた。

狂うってこんなことなのかも。。。
なんて、冷静さは一瞬で消え

真っ赤な灼熱地獄に突き落とされ
燃え上がる妖艶な炎に巻き込まれて
己を失い
俺たちは、一つになった。

あの初めての夜の
艶やかに濡れた、熟した唇。
熱い声を上げてる朱色の口。
はぁはぁと呼吸する度に昂揚して、色濃く紅潮していく彼の頬。


そして、翌朝うっ血してた俺の肩。
彼の大きな指の痕、やっぱ男だものな。

彼の悦びの印。
楽園を追放された印。

あの日の赤は、二人の想いが混ざった濃い緋色。
俺の運命の色。


red2



いや。。。



でも、
今、ここにいる彼の目の色も。。。
捨てがたいんだよ。





雅紀にとって、この花粉の季節は大変だけど
俺には、かわいくて



「じょーちゃん、ぐしゅっ」

何も言わずに潤いティッシュを差し出してやる。

「あでがど」


「ぐしゅぐしゅ」


鼻も赤くて、
涙をうるうるさせてる目。

かわいそうだけど、薬が効いてくるまではなんにもしてやれない。

俺の愛の力を持ってしても
これだけは
どうしようもなんないんだよなあ。

そして薬を飲むと彼は俺の膝枕で眠る。

俺の側に居るとよく眠れるのだそうだ。



俺は彼のさらさらの髪をおでこから流すように撫でる。
艶やかな髪は、撫で付けたその先からまた彼の額に戻り
それをバネのおもちゃのように何度も何度も繰り返す。

俺の手の動きに、喉を鳴らしそうな顔で目を細めてうっとりしてる雅紀。
彼の美しい造りの顔を眺めてると
つい見惚れてしまって、手が止まってた。

俺の動きが止まったのを感じ、
彼は黒い瞳を潤ませて大きく開き、俺を見上げた。
でも、いつもは透き通るような白目の部分が赤い。

「もう目を掻いちゃダメだよ」
「うん。。。」
子供のように無邪気に頷く。
「明日には治ってますように」と小さく呟いて、
彼の瞼に唇を落とした。


花粉症の酷い時は、俺んちにやってくる彼。
だから、

彼の目が赤いのも俺には幸せな期間。

ちょっと変な赤だけど。


red4




ファンの人のうちわ。

夕焼け
リンゴ
血の色
昂揚してる彼の頬


充血した彼の目



そして、

薬のせいで、もう寝息を零す真っ赤な彼の唇の色





全部、俺の好きな色。




赤。





俺の色。









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